2002年10月24日(水)21:13

シュレーダー首相とシラク大統領は農業補助金で合意

ブリュッセル(ロイター)

ドイツとフランスはブリュッセルのEU首脳会議を直前に控えて、EU拡大後の農業補助金をめぐる問題で合意し、2007年以降のEU農業予算の抑制で意見の一致を見た。ドイツ政府筋の発表によれば、これによりドイツは数十億ユーロの支出増を免れることができるという。

ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相(社会民主党)は木曜日フランスのジャック・シラク大統領との会談を終えて、農業支出はしかし2013年までインフレ率だけ増加することになる。双方は新規加盟国が2004年から段階的に直接補助金の恩恵を受けるべきという点で合意した、と語った。EU議長を務めるデンマークのアンデルス・フォグ・ラスムッセン首相はこの合意を歓迎する声明を出した。

合意は2013年まで有効であるとシュレーダー首相は述べた。この年には欧州委員会の提案に従って新規加盟国の農家に対する直接補助金が完全にEU水準に引き上げられることになる。EU財政計画によれば2006年の農業支出は最大で450億ユーロに達する。この合意によりシラク大統領は、自らの任期満了の2007年までフランスの農家に対して現在の補助金額を確保したことになる。

ドイツのハンス・アイヒェル蔵相(社会民主党)はこの結果を肯定的に評価し、「これは受け入れられる合意である」との声明を出した。しかしEU筋では、シュレーダー首相がインフレ率に合わせた農業支出の増額を認めたのには驚いたとの声が上がっている。

シラク大統領とシュレーダー首相は構造基金の節減も求める

加えて構造基金も節減すべきであるとシュレーダー首相は述べた。「われわれはこれについても支出の抑制、厳しい節減が必要との認識で一致している。」シラク大統領は、双方はあらゆる領域で支出を管理するよう求める。とりわけ構造基金に関してである、と強調した。

シラク大統領は、私はイギリスの分担金割引も審査する必要があると指摘した、と述べた。これに関しイギリスのトニー・ブレア首相の広報官は、「われわれの立場は分担金割引は議題にはならないということだ」と述べた。

ラスムッセン首相は独仏の合意を歓迎した。「合意は間違いなく首脳会談を難しくするものとはならない」。だがEU加盟全15ヶ国があらためて合意する必要がある、とEU議長を務める同首相は述べた。欧州委員会のギュンター・フェアホイゲン拡大担当委員は、「この合意はブリュッセル首脳会議の成功のチャンスを高めるものであり、コペンハーゲン首脳会議で精密着陸を行える可能性が出てきた」と語った。ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相は「ヨーロッパと加盟候補国に対する良いメッセージである」と述べた。

加盟候補諸国の代表は様子見の反応を示した。ポーランドのヤロスワフ・カリノフスキ農業相はロイター通信に対し、浮かれるにはまだ早過ぎる。どれだけの補助金をポーランドが得るかいまだ疑問である、と述べた。同国の外交官は「正しい方向への第一歩」と評した。チェコの外交官ヤロスラフ・パラスは、「もしこれがすべての国に対して均等に適用されるならば公正であり、われわれにとっても良いことである」と表明した。

EU首脳会議は金曜日までの日程で東欧など10ヶ国へのEU拡大の財政問題に関して協議を行う。農業補助金問題をめぐる独仏間の論争は合意の最大の障害の一つと見られていた。シュレーダー首相はたびたび、ドイツにとって拡大後の農業支出の膨張は受け容れ難いと主張してきた。シラク大統領は一貫して直接補助金の削減を拒んできた。とりわけフランスの農家は補助金の恩恵を受けている。

欧州委員会はポーランド、チェコ共和国、スロヴァキア、キプロス、リトアニア、ラトヴィア、エストニア、ハンガリー、スロヴェニアおよびマルタの2004年加盟を提案している。ブルガリアとルーマニアに対しては加盟に向け進展があったことを認めた。両国は2007年の加盟を目指している。トルコの加盟交渉については欧州委員会は開始期日の提案を行わなかった。

原題:Schroeder und Chirac einig ueber Agrarfinanzierung




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